ラレコ山への道 小野木豊昭 古典空間への誘い

【其の四拾七】革命の星 URANUS(ウラナス)

2007年7月

URANUS ウラナスの中井智弥さんと岩田卓也さん

 6月だというのにこの暑さ。個人レベルで本気で地球温暖化対策に取り組まなくてはならないことを痛感するこの頃です。私たちが掲げる「伝統の継承と現代的展開」というテーマも、まさに「健全」な地球あってこそであることは自明のことです。伝統芸能そのものが、自然に畏敬の念を抱き、巡り来る四季を受け入れつつ営む生活の中から生まれたものであることを、私たちはあらためて再認識しなければと感じています。

 数年前、東京芸術大学の学生であった若い二人に出会いました。「箏が大好きです。箏を通して自分の音楽世界を創ってみたいです!」「格闘技メッチャ好きっす! とにかく尺八のパワーを感じてもらいたいっす!」かたやイケメンのお坊ちゃん風、こなた無頼な暴れん坊風、まったく正反対なキャラクター、荒削りでしたが確かな技術と表現力を持った中井智弥、岩田卓也との忘れられない出会いでした。

 その後二人は音楽的に意気投合、お互いに目指すべき着地点を確認し共演を重ね、昨年正式にユニットを結成しました。ユニット名は天王星を意味する「URANUS(ウラナス)」。占星学の世界で天王星は「革命」の星、しかも発見者はイギリスの音楽家。近い将来、邦楽界に革命を起すであろう二人に実に相応しい命名であると大きな期待を寄せつつ、今回コラーレでご紹介できることを心から嬉しく思っています。

 共に20代、若さ溢れる勢い、“切るか切られるか”お互いの気迫をぶつけ合う演奏、舞台袖で観ていて時々冷や汗をかくが何故か憎めない掛け合いトーク。「ムズカシイ、カタクルシイ、フルクサイ」というイメージがいまだ払拭し切れない伝統芸能の世界に、確実に新しい風を吹かせています。ウラナス流「春の海」や「おぼろ月夜」「赤とんぼ」など、お馴染みの唱歌や「戦場のメリークリスマス」など、映画音楽のスタイリッシュなアレンジ、箏と浅からぬ縁のある(?)J.S.バッハへのチャレンジ、そして「道成寺」「清経」など、中井智弥の能楽をテーマにしたオリジナル曲。難しい理屈などいらない! とにかく足をお運び下さったお客様の「明日のエネルギー」になる音楽を提供したい! まさにイキイキと今を生きる気持ちのイイ二人なのです。

 今こそ“革命”を必要としている星、地球。伝統と現代とを対峙させることで見出せるかも知れない光明……乗り越えるべき課題満載の現代社会にコラーレが放つ意義ある企画、邦楽初心者から上級者まで楽しめる「ニッポンの伝統と現在(いま)ライヴ」にご期待下さい!

 

二十五絃箏の中井智弥さんと尺八の岩田卓也さんが演奏する様子
★ニッポンの伝統と現在(いま)ライヴ
URANUS ウラナス(中井智弥 二十五絃箏 × 岩田卓也 尺八)

2007年7月16日(祝・月) 開演18:00 コラーレ(マルチホール)

★中井智弥の邦楽器『箏』レクチャー
2007年7月15日(日) 開始18:00 コラーレ(マルチホール)

(2007年07月 COLARE TIMES 掲載)

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