ラレコ山への道:国際交流員「目からウロコ」
コラーレ倶楽部
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COLARE TIMES
#02 郷に入っては、郷に従え。
2012年9月
黒部市に引っ越ししてから、2ヶ月が経とうとしています。生活はほとんど大丈夫ですが、落ち着いていないところもまだあります。
さて、10月は私にとって、一番大事な月です。なぜかというと、ハロウィーンの月だからです。1ヶ月の間ずっと、そのお祝いのために準備します。私には、キリスト教のイースターやクリスマスより、最も重要な祝日です。怖い物語や変わった衣装と関係ない別の理由で、子どもの頃から大事に思ってきました。1年365日のハロウィーンだけは、本当に自由に、自分の性格を見せても構わないからです。
「郷に入っては、郷に従え」は、日本語のことわざの中でも一番好きです。でも、私が大事に思っているハロウィーンとは、全く反対の意味を持つことわざですね。カナダにも同じ意味を持つことわざがあります。「In Rome, we do as the Romans do.(ローマでは、ローマ人がすることの真似をしましょう)」です。もしどこかに行ったら、そこの人々を見て、従うように努力すべきです。
日本に住むことになったら、どこの町に就職しても、その町の習慣などになるべく従って生活しようと、心に決めていました。例えば、立山登山をして山頂の神社にお参りをしようと、前もって決めていたのです。同僚にその話をしたら、感動して喜んでくれました。
でも、私はやっぱり日本で育ってはいません。カナダで育ち、向こうの習慣などに慣れて、その文化などを理解して身につけています。日本人には考えられないようなことを自然とやってしまうのは当たり前です。そして文化とは関係なく、今までの自分の経験から、自分なりのやり方もしています。
カナダでは、国の習慣の違いや自分なりのやり方で、結構ぶつかっていました。性格が強い私には大変でした。特にカナダでは、周りの人に「勝手に行動したりしても構わない」などとよく言われ、その言葉通り、私は勝手なことをたくさんやってしまいました。カナダ人の習慣や考え方に合ってなかったようです。頭の固い私には、その「構わない」ということが身についてしまい、周りの人との関係があまりうまくいかなくなりました。でも、その周りの人に何回相談しても「大丈夫」とか「いいんだよ」とかを繰り返されて、私はヒトのことがまったく分からなくなってしまいました。
最初に日本に来た時、そういう混乱している考え方を持ってやって来ました。もちろん、「郷に入っては、郷に従え」ということわざを知っていたのでいろいろ真似をしましたが、完全にうまくいったとは言えません。ある日、日本人の友だちの言葉が私を驚かせました。「きちんとすれば周りの人が喜ぶでしょ」と。聞いた時は頭が固くて受け入れられなかったのですが、しばらくしてから分かりました。同時に、ことわざ「郷に入っては、郷に従え」を理解できました。
気づいたのは、「周りの人に迷惑にならないように行動しよう」ということでした。もっと言えば、喜んでもらえるように努力しよう。ことわざが教えるのは、真似をすることじゃなくて、周りの人と合わせて行動することです。周りに誰もいなかったら、好き勝手なことをしてもほとんど大丈夫。でもヒトがいたら、状況に合わせて邪魔にならないように行動するべき……。
それからは、カナダにいた人が語ったことを忘れて、日本で気づいたことに従って行動するようにしたら、生活が楽になりました。周りの人に「迷惑になることがありますか」とよく相談して、いろいろ習って、行動を変えました。周りに人がいるときにすることと自分がやりたいことを区別し、出来るだけ両方を合わせました。無理なら行動をやめて我慢して、一人になったときに好きなことをするようにしました。そして、私の自分勝手なところも構わないという人がいたら、本音を見せて行動しようと決めました。日本でもそうしたら、きっとうまくいくだろうと思います。
さて、最後に……。自分の好きなことができる、10月末のハロウィン! 1年の中でも、私の本音をみんなに表す日ですよ。今年も非常に楽しみにしています。……もちろん、迷惑にならないように。
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(2012年09月 COLARE TIMES 掲載)