ラレコ山への道:国際交流員「目からウロコ」
コラーレ倶楽部
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COLARE TIMES
#09 夏の文化の違い
2019年6月
もうすぐ夏になりますね! 私が一番好きな季節は夏ではありませんが、皆さんのように、子どもの頃からの懐かしい思い出があります。でも日本に来るまでは、国によって違う夏の文化があることに気づきませんでした。
初めて日本に来たのは中学生の頃で、6月の中旬に1週間滞在しました。慌ただしい旅行だったので、東京のひどい蒸し暑さ以外には、日本の夏のことについて何も残っていませんでした。しかし21歳のとき、大学生として日本へ戻った時、たくさんの発見があり、びっくりしました。
まずは、日本の「アイス文化」です。当然、暑い夏の日に体を冷やす欲望は万人の欲望だと思います。アメリカでも日本のように、かき氷やアイスを食べている人がどこでもいます。しかし日本に来て最初の日、アメリカ人の私にとっては意外なアイスが目に入りました。アメリカのアジア系スーパでもたやすく見つかる抹茶や小豆味のアイスではありません。恐ろしい、トマトアイスです! 初めて見た時、「へー!? トマトは野菜じゃないの!? アイスとは合わないんじゃないの? やっぱり日本は不思議な国ね……」と思いました。
次に私が驚いたのは「限定商品」です。夏に日本に着いた時、ミント味のおやつがよく目に付きました。私はチョコチップ・ミントクランキーというアイスを好きになり、ほぼ毎日食べ続けられたらいいなと思いはじめていました。しかしある日突然、大好きなそのアイスがコンビニから消えてしまいました! 夏の限定商品だったのです。もう販売しないと聞いたときの失意は言葉にできないくらいで、ひどい冗談のようだと思いました。実はアメリカでは、ミントは冬の味だと思われており、限定商品自体も割と少ないのです。私のこの愛しい商品を、どうして秋にも冬にも売らないのかと戸惑いました。
そして、「日焼け」についても驚きました。アメリカの南部では、夏になると日焼けの時期が始まります。西洋人ではない人にとっては、わざと自分の肌を黒くするということが理解できないかもしれませんが、私が生まれ育ったテキサス州では、日焼けするのは当然です。高校生の時、ようやく気候が暖かくなってきたとたんに、「今週末、プールサイドに日焼けしましょうか?」と言う女子の声がいたるところにありあました。なので日本の海岸で、日焼け止めをせっせと熱心に塗り、つば広の帽子をかぶった女性の姿を見ると、「あ、これは文化の違いね」と思いました。薬局でサンオイルもあまり売らない日本はアメリカと比較すると、全体的に日本人の方が肌の調子が良いと思います。
文化の違いを書きましたが、もちろん類似点もいっぱいあります! 蛍を捕まえること、手持ち花火をすること、海岸で遊んだりバーベキューしたりすること、花火大会を見に行くこと。しかし、大学生として日本に住んでいた夏は厳しい研究所でのインターンシップで忙しくて、体験できなかったことが多く、日本っぽい夏を過ごせませんでした。なので、今年こそ、まだ発見していない夏の文化の違いを見つけ、新しい夏の思い出ができることをとっても楽しみしています!
[最近、目からウロコが落ちたこと……]
4月の終わり、富山県に住んでいるALT(外国語指導助手)とCIR(国際交流員)などの外国人と日本人の友だちと一緒に、富山市の岩瀬浜海岸を清掃してきました。新聞に載ったので、ご存じかもしれませんね。
汚れた海岸を清掃してよくわかったことは、人間が自然の富を一方的に受け取る傾向があることです。私は今、自然が豊富な富山県に暮らし、恩恵を毎日たくさんいただいているので、これからもできるだけ環境やコミュニティに還元したいと思います。
(2019年06月 COLARE TIMES 掲載)