ラレコ山への道:国際交流員「目からウロコ」

#13 ホラー映画は意味深いもの?

2019年10月

目からウロコ

 日は短くなり、爽やかに涼しい夜がやって来る……こんな秋の気配を感じたら、私は「あ、ハロウィンの季節がようやく近づいていてきた」と思います。

 「ハロウィンの季節」と書きますが、誤字ではありません。最近では9月から10月を通して続くハロウィンのイベントや限定商品などで、まるで第5の季節らしいですね。アメリカではハロウィンはもはや10月31日の1日だけの行事ではなく、若者は10月にわたってハロウィンの怖い映画を観たり、お化け屋敷に行ったり、ハロウィンパーティーを開いたりします。最近の日本もそうだと思いませんか? 9月の中旬から100均はハロウィンの飾りを売っているし、ディズニーランドの「ディズニー・ハロウィーン」は9月10日から始まっています! 人々はハロウィンを楽しみ過ぎていると言えるでしょう!

 しかし、私は告白したいことがあります。ハロウィンを楽しみ過ぎている人たちの一人は……私です。ハロウィンの活動をいろいろ楽しんでいますが、10月1日から怖い映画をほぼ毎日連続的に鑑賞するほどハロウィンの映画が大好きです。

 子どもの頃に私の家庭では、儀式のように毎週の金曜日は「ピザと映画ナイト」が行われていて、チェーン店のピザを食べながら、レンタルビデオを観ました。父母は怖い映画に興味を持っていないので、ホラー・スリラーなどの映画を観ることは割と珍しかったです。しかし、もし映画で急に怖いシーンが出てきたら、私が悪夢を見ないようにと、両親に目を隠されたり、一旦部屋を出させられたりしました。でも映画を観たくて私は、目を隠されても指の間からのぞき見をしていましたが……。小さい時から怖い映画への興味が急増していった原因は、両親に観させてもらえなかったからかもしれません。

 中高校生時代、自分は怖がりだと思っていたのに、怖い映画に対して不思議な魅惑を感じました。そして、B級から大ヒットまで、手当たり次第にホラー・スリラー映画を観ていました。

 徐々にわかってきたことは、価値のある怖い映画というのは、単に怪物が怖いのではありません。素晴らしい怖い映画は他の素晴らしい物語のように、意味深いテーマや社会的な主張が含まれています。映画の世界では、怖い映画の役割は覆い隠している恐怖を掘り起こすことだと思います。個人的な恐れから社会全体の心配や問題までを表現します。

 例えば、1954年の日本映画「ゴジラ」は恐ろしい怪獣映画だけではなく、日本人が核兵器に対しての疑いを表した映画です。アメリカの2017年の「Get Out」(ゲット・アウト)はただの失踪事件についてのホラー映画だけではなく、アフリカ系アメリカ人の文化が白人に盗用される問題に注目した映画です。一言で言うと、人間が持っている恐れは、それぞれの性格、社会、文化を反映すると思います。

 私にとって、怖い映画の怪物やシリアルキラーなどの悪役の外面は、ただの舞台用の仮面のようです。よーく見たら、仮面が外れて隠れていたテーマが見えてきます。異文化について知りたい時は、その国の怖い映画を観たらいいと思います。


[最近、目からウロコが落ちたこと……]
 9月の下旬、富山県内国際交流員(CIR)の11人が黒部にわざわざ来てくれました。黒部市から離れたところに住んでいる同僚のCIRと会えて、黒部を少し紹介できてとっても嬉しかったです! 富山県に住んでいるのに黒部はどういうところか知らない人が少なくなかったので、もし機会があったらまた招待して、黒部の素敵な名所をもっと紹介したいと思います!

目からウロコ

(2019年10月 COLARE TIMES 掲載)

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