ラレコ山への道:国際交流員「目からウロコ」
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COLARE TIMES
#17 健康や病気に関するアメリカのことわざと常識
2020年4月
■An apple a day keeps the doctor away.(1日1個のリンゴ、医者知らず)
子どもの時からよーく耳にする表現です。1866年にウェールズの雑誌で初めて掲載されたことわざは、元々「Eat an apple on going to bed and you’ll keep the doctor from earning his bread(ベッドに入る前にリンゴを食べれば、医者が食い扶持を稼げなくなる)」との言葉でした。長年にわたって少しずつ省略されてきた「1日1個のリンゴ、医者知らず」という言葉は、現代でも当たっていますか?
栄養の研究によると……毎日リンゴを1個食べても、医者への受診の回数に違いはないようです。しかし、リンゴには栄養がたくさんあります! 食物繊維のペクチンは整腸作用を促し、カリウムは体内の塩分を排出する作用があります。そして、リンゴを摂取することで、ガンのリスクの減少があると言われています。このことわざに従えば病気にならないわけではないかもしれませんが、リンゴを食べると健康によいというのは間違いではないでしょう。
■Bless you!
英語圏に行ったことのあるみなさんは、クシャミした時に「Bless you!」と言われたことがありませんか? 戸惑いませんでしたか? この言葉は「May God bless you.」という表現からきていて、「神のご加護がありますように」との意味です。
クシャミが出た時、どうして「bless you」と返すかという由来ははっきりしていませんが、仮説がいくつかあります。
(1)クシャミが出たら、もうすぐ病気になってしまうかもしれないと思われていたから
(2)昔は、強いクシャミで魂が体から抜けると思われていたので、魂が戻ってくるまで「bless you」の言葉は小さい祈りの役割を果たすと思われていたから
(3)クシャミは、悪魔・悪霊を除霊すると思われていたので、戻ってこないように言ったから
現在の「bless you」は日本語の「お大事に」という言葉に近いですが、この言葉を返すのはクシャミの時に限ります。アメリカでは、知らない人がクシャミをしても返します。バスでも、エレベーターでも、行列でも……。さらに不思議なことに、言わないと失礼だと思われる可能性もあるのです! 私はアメリカでの長い滞在の後、日本では言わないように気を付けなければなりません。その一方、日本での長い滞在の後、言うのを忘れないように注意しないと!
■病気時の食事
アメリカでは、病気の時は一般的にチキンヌードルスープとサルティン(塩かけ)クラッカーを食べます。鼻づまりにはホカホカスープが効くし、治るために重要なたんぱく質の高い鶏肉が入っているからです。そして、お腹の具合が悪い時、クラッカーは食べやすいものになります。ビタミンCたっぷりのオレンジジュースと、ショウガでできたジンジャーエールも嘔気がする時に飲みます。のどが痛い場合は、蜂蜜入りの温かいお茶は痛みを抑えます。
■病気の表現
英語では、病気に関する面白い表現がいろいろあります。例えば、風邪気味や気分がすぐれないと感じる時、「I’m feeling under the weather.(悪い天気の下にいると感じる)」と言います。他人の顔色が悪そうな場合は、「She looks green around the gills.(エラの周りは緑色みたいだ)」です。逆に、自分が死にそうだ思うほど辛い病気になったら、「I feel like death warmed up.(復活させられた死体のように感じる)」とぶつぶつ言います。
(2020年04月 COLARE TIMES 掲載)