ラレコ山への道:国際交流員「目からウロコ」
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COLARE TIMES
#23 花の秘密の言葉 The Secret Language of Flowers
2021年4月
世界中、どの文化でも、お花は表現形式として大切にされています。わかりやすい「ありがとう」から、言いにくい「あなたを愛している」まで、花には様々な文化で幅広い意味が付けられます。
Floriography (フロリオグラフィー)、つまり「花言葉」はどの時代よりも、イギリスのヴィクトリア時代(1837〜1901年)に貴重な勉強として思われたと言えるかもしれません。結婚式でヴィクトリア女王が初めて手に持ったブーケは、今でも花嫁の伝統として残っており、現代の西洋文化にも影響しています。
昔からお花は贈り物や飾り物として大事にされていました。しかし気持ちや感情を抑えなくてはいけないヴィクトリア時代では、花の意味が重要になってきました。どの時代でもどの文化でも、人間は気持ちを表現する方法を求めるでしょう。その結果、自由に感情を表せないヴィクトリア時代に、花は言葉の代わりになったのです。
ヴィクトリア時代の前も「花言葉」がありましたが、それまで定式化されていませんでした。西欧の初めての「La langage de fleurs(花言葉辞典)」はフランスで1819年に出版され、好評となり、次々と翻訳版や似た辞書が出てきました。
また、産業革命のおかげで中間所得層が拡大し、花の値段も下がり、貴族だけではなく一般の人も外来の花を手に入れることができるようになりました。同時に温室も普及しつつあり、母国の植物だけではなく、ギリシャ、中国、南アフリカ、ポリネシアなどの異国由来のお花や熱帯の花も、イギリスの厳しい真冬でさえ植えられるようになり、1年中お花が出回るようになりました。
ヴィクトリア時代の花言葉辞典には何百件もあり、花の色と過程成長で意味が変わります。例えば恋愛の表現で言うと、若い男子が女子にお花をあげたいと思うなら、開花したばかり、ピンク色のバラが最も相応しいです。その一方、満開の赤いバラは最も熱烈な愛の場合に限られているので、そのお花を気軽に配ったなら、きっと男性は非難されます。
【ヴィクトリア時代の花言葉】
★Peony(ピオニー、ボタン)
とても綺麗に見えますが、実際はボタンが「怒り」を表現しています! なぜなら、ボタンはかなり「気まぐれ」なお花として見られており、乱されるのが嫌いそうからです。例えば、もしボタンを植え替えしたら、また開花してくれるまでは数年もかかる場合があるのです! そこで、誰かにイライラした時、その人にボタンを贈ったらその人はすぐ意味をわかったことでしょう。ちなみに現代では、ヴィクトリア時代より前の「恥じらい」「はにかみ」という意味に戻りました。
[日本での花言葉]風格、富貴、恥じらい、人見知り
★Meadow saffron(メドウ・サフラン、犬サフラン)
犬サフランは、スパイスのサフランと違います。ヴィクトリア時代では、犬サフランが入っている花束をもらった女子は、きっと怒ったことでしょう! なぜかというと、犬サフランの開花時期は夏の末、秋の初めに咲くので、「暖かい夏のまぶしい日が終わり、凍える冬が訪れる」ということです。つまり、「季節のように、あなたの娘盛りがもう過ぎ去った」と意味します。犬サフランをあげるのはとっても失礼な行為ですね……。
ちなみに犬サフランと呼ばれる理由ですが、この花は香辛料のサフランに見えますが、実際は違うものです。「イヌ」は「似て非なるもの」を意味します。
[日本での花言葉]私の最良の日々は過ぎ去った、危険な美しさ
★Rhododendron (ロードデンドロン、ツツジ)
鮮やかで赤いツツジは、日本では「節度」や「慎み」という意味ですが、ヴィクトリア時代にはとても恐ろしい意味を持っていました。実はこの時代、この花は「注意」「気をつけろ」「危険」という意味でした! ツツジに毒性があるので、不吉の前兆として思われ、誰かにツツジの花を贈るのは、「脅迫状を送る」と解釈できます! 例えば、ある朝ドアを開け、戸口に置かれたツツジの花旅を見たら……まあ、一応気を付けた方がいいかもしれませんね!
[日本での花言葉]節度、慎み
[最近、目からウロコが落ちたこと……]
数ヶ月前、刺繍や縫物に挑戦してみたいと書きましたが、昨日今日まではできていません。最近、親友がアパートを引越し、新しい家に飾られるような物をプレゼントしたいと思い、この刺繍をやり始めました! 刺繍の能力はまだまだですが、やりながら心が落ち着きます。私はやはり、刺繍でリラックスできるだとわかりました。
(2021年04月 COLARE TIMES 掲載)